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不動産賃貸業において『青色専従者給与』を支給する場合の注意点について解説

 
青色専従者給与
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こんにちは。大阪府の寝屋川市・枚方市を中心に不動産オーナーを支援している税理士の平川(@asse_t_ax)です。

個人で事業を営んでいると、家族に仕事を手伝ってもらうことがあると思います。

そのような場合に、家族への仕事の対価として「お給料を支払って節税しよう!」と考えるのは事業主として当然の思考です。

家族にお給料を支給したいけど、何か注意することはあるの??

大家さん

個人事業主が家族へお給料を支給することはできます。
ですが、税法上厳しい要件があります。

ひらかわ

家族へのお給料の支払いのことを、所得税法では専従者給与といいます。

「専従者給与」の支払いは、事業所得だけでなく、アパマン経営などの不動産投資家でも支給することができます。

詳細は後述しますが、不動産賃貸業における専従者給与の支払いについては、その事業が事業的規模でなければならないという要件があり、「白色申告者」が対象になることはほとんどありません。

そのため本記事では青色専従者給与(青色申告者が支払う専従者給与)に限定して解説していきたいと思います。

青色専従者給与の要件

まずは、家族への給料を経費に算入するための要件を確認していきます。

青色専従者給与に関する届出書を提出する

青色申告者が家族へお給料を支給するためには、まず、事業主の納税地の税務署へ青色専従者給与に関する届出書を提出しなければなりません。

📝【提出期限】

青色専従者給与を経費に算入しようとする年の3月15日まで。

(その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合には、その事業開始日から2月以内)

 

2019年から青色専従者給与を支給しようと考えている場合は、2018年分の確定申告書の提出と一緒に「青色専従者給与に関する届出書」も提出するようにしましょう。

 

「青色事業専従者給与」は賞与も支給することができます。

 

また、「青色事業専従者給与」は届出書に記載したお給料以上の金額を支給することができないという制限があります。

 

届け出るお給料の金額は実際に支給する金額よりも多めに書いておきましょう。

ひらかわ

事業が軌道に乗ってきて、届出書の金額よりもお給料を支払いたい場合など、記載事項に変更があるときには「変更届出書」を税務署に提出しなければならず、手間です。

対象となる家族の範囲について

家族であれば誰でもお給料を支給して経費に計上できるわけではありません。

📝【家族の範囲】

  • 事業主の仕事にもっぱら従事していること
  • 事業主と生計を一にしていること
  • 15歳以上であること
  • 学生でないこと
  • 他の職業についていないこと

青色専従者給与の前提条件として、「事業主の仕事に専従している」ということが重要になりますので、他の職業についている家族は原則としてお給料を支給することができません。

 

しかし、下記の場合には例外的に青色専従者給与の支給が認められます。

  • 非常勤などで働く時間が短く、専従者としての仕事に妨げがない。
  • 「夜間学生」で昼間の仕事に影響がないと判断できる。

【注意】

青色専従者給与を支給している家族については、「配偶者控除」、「配偶者特別控除」、「扶養控除」の適用を受けることができません。

不動産賃貸業特有の要件について

上記の要件は、「不動産所得」だけでなく「事業所得」についても共通。

ここからは、「不動産所得独自のルール」についてみていきましょう。

そのルールとは、賃貸経営が事業的規模であるかどうか。

「事業的規模」とは、所有物件の貸付けが事業といえる程度の規模で営まれているかどうかということ。

 

この「事業的規模」の判断方法として、実務上は、下記の「形式基準」とよばれる判断基準により判定することが多いです。

📝【形式基準】次のいずれかを満たせばOKです

  • マンション、アパートであれば、10室以上の部屋数があること
  • 独立家屋(戸建てなど)の貸付けであれば、5棟以上であること

 

上記の基準を満たしていれば、不動産所得の計算上も「青色専従者給与」を経費に算入することが可能になります。

そのため、個人で賃貸経営を行っていくうえで、その事業が「事業的規模」であるかどうか。というのは非常に重要なポイントといえるでしょう。

 

不動産賃貸業において適正な給与の金額とは

「青色専従者給与」は、上記の要件を満たしていたとしても、労働の対価として「適正な金額」までしか経費として認めてもらうことができません。

ひらかわ

また、通常の給料と異なり、家族への給料の支払いについては、「恣意性」が介在しやすいため、税務署の目も厳しくなります。

「適正な金額」の基準としては、『所得税法施行令の164条』に規定されています。

第164条
一 法第57条第一項に規定する青色事業専従者の労務に従事した期間(経験年数)、労務の性質(職務の内容)及びその提供の程度(就業時間
二 その事業に従事する他の使用人が支払を受ける給与の状況及びその事業と同種の事業でその規模が類似するものに従事する者が支払を受ける給与の状況
三 その事業の種類及び規模並びにその収益の状況(支払能力

上記の基準から、「賃貸経営の規模・不動産所得の拡大」にともない、青色専従者給与の金額を月額20万、30万と増やしていくことはできるか

結論としては、税務調査の否認リスクが高く、また、税務調査を呼び込む可能性が非常に高くなります。

 

税務署は基本的に不動産経営における業務量はそこまで多くないと考えています。

物件の管理や家賃の入金管理などは不動産管理会社が行っており、家族は経理業務や物件の見回り、草むしり、清掃などの業務を行っているというケースでは特に注意が必要です。

物件の数が増え、収益が拡大したとしても、家族がおこなう業務量や責任についてはそこまで大きく変わらないと税務署には判断されてしまいます。

 

不動産賃貸業の税務調査での経験上、不動産所得における「青色専従者給与」の相場は8万~10万が限度かと。

 

とはいえ、「職務の内容等からその給与では少なすぎる」ということが合理的に説明できるのであれば、税務署もむやみに否認することはできません。

判断に迷ったときには税理士などの専門家に相談しましょう。

まとめ

青色申告者が家族へ支給する給与は「青色専従者給与」とよばれ、従業員への給料とは異なり、その経費化には厳しい要件があります。

📝【青色専従者給与の要件】

  • 青色専従者給与に関する届出書の提出
  • 対象となる家族の範囲に支給する
  • 届出書に記載している金額以内で給料を支給する

不動産賃貸業においては、上記の要件のほかに「事業的規模」の要件を満たす必要があります。

また、「青色専従者給与」の経費化には、上記の要件を満たすだけでなく、事業の実態に即した「適正な金額」の支給でなくてはなりません。

 

通常、不動産賃貸業では「8万~10万」までに抑えておくのが妥当な金額でしょう。

ひらかわ

なお、専従者が副業をしている場合には下記の記事もご参考ください。

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