不動産オーナーの消費税還付

【具体事例】「マンション建設」による消費税還付のスキームを解説

こんにちは。大阪府柏原市を拠点に、大阪府内外の不動産オーナーを支援している税理士の平川(@asse_t_ax)です。

「不動産を利用した消費税の還付方法」については、マンションを新たに建設する方法や、中古物件を購入する方法などいくつかのパターンがあります。

今回は、その数ある方法のうちの1つである「マンションを新たに建設」することにより消費税の還付を受ける方法について、解説します。

※ 本記事に関する追記(2026年4月)

本記事はもともと2018年時点の制度を前提に解説したものです。令和2年度税制改正により「居住用賃貸建物」の取得に係る消費税は、原則として仕入税額控除(還付)の対象外とされました(消費税法30条10項)。あわせて、令和5年10月開始のインボイス制度により、課税事業者選択や仕入税額控除の判断軸も大きく変化しています。

本記事の内容は当時の参考資料としてそのまま残しておりますが、現行法では本記事のスキームは原則として適用できない可能性が高い点にご留意ください。具体的な取扱いについては、当事務所までお問い合わせください。

建築会社、税理士の決定

消費税の還付を受けるためには、マンションを建設する建築会社および税理士の協力が必ず必要となります。

建築会社や税理士を決めるにあたって、消費税還付の成功実績が過去にあるか。

また、施行会社と税理士との連携がスムーズにとれるということも大切になります。

消費税還付は、高度な知識とノウハウが必要であり、ある程度の経験が求められますので、過去に成功事例があるかどうかを、ホームページなどで確認しておきましょう。

消費税の還付を税理士に依頼した場合には、その成功報酬も高額になりますので、事前に確認してください。

「還付金額の何パーセント」といった料金設定が一般的であり、相場としては、還付金額の15%〜25%くらいになります。

建築会社と税理士が決まれば、建築のスケジュールなどを確認し、そのスケジュールに合わせて法人を設立することになります。

法人の設立

現在の法律で消費税の還付を受けるためにはまず、新たに法人を設立する必要があります。

法人の組織形態はなんでも大丈夫ですが、設立コストの安い「合同会社」などを設立するケースが多いです。

また、法人を設立する際に「決算期」を決める必要があるのですが、1期目は消費税還付をやりやすくするために、1ヶ月で決算期を区切ることになります。

「7月1日」設立であれば、決算期を「7月31日」とし、1期目の事業年度は1ヶ月とします。

なお、法人の設立は、税理士と司法書士が連携して行うことになりますので、専門家への手数料が発生します。

特に知り合いの司法書士がいなければ、還付を依頼した税理士や建築会社に紹介してもらいましょう。

金の売買

法人を設立したら、「1期目」に金を「法人で購入」し、すぐに売却します。

金額はだいたい「100万円相当の金」を売買することになります。

1期目に金を売買するのは、マンションが完成する3期目に消費税の課税事業者となっておく必要があるためです。

消費税の課税事業者となるかどうかの判定は、判定する事業年度の「2期前の課税売上が1000万円を超えているかどうか」で判断することになるのですが、2期前の事業年度が「12ヶ月未満」である場合には、その事業年度を1年に換算して課税売上の金額を判定します。

1期目が1ヶ月であれば、100万円の金を売却すると、その売却金額を1年換算した場合、「課税売上が1200万円」になります。

1期目の課税売上が1000万円を超えるので、3期目が課税事業者となります。

マンション完成

「マンションの完成時期」は、消費税還付を成功させるためにとても重要となります。

2期目にマンションが完成してしまうと、2期目はその課税期間の2期前が存在しないので、免税事業者となってしまいます。

「免税事業者である課税期間」にマンションが完成すると、消費税の納税義務がなく、消費税の還付を受けることができません。

【memo】

特定期間による消費税の判定を利用すれば、2期目から消費税の課税事業者になることも可能です。

3期目にマンションが完成したら、その完成した月で法人の事業年度を変更します。

4月にマンションが完成したのなら、4月末で事業年度を変更するのです。

事業年度を変更するのは、マンションの建設にかかった消費税について、全額還付を受けるためです。

これを理解するためには、「消費税の仕組み」について説明する必要がありますので、また改めて記事にしたいと思います。

平成28年税制改正による影響

平成28年税制改正による消費税について、大きな改正がありました。

この改正前であれば、マンションが完成後に消費税の還付を受けて終了だったのですが、この改正後は、還付を受けた後も金の売買を繰り返すなどの手間が必要となります。

以下の記事を参考にしてください。

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